2012年11月12日月曜日

托鉢調査第2弾

まず、最初の調査結果を見てもらったわけだが、今回の托鉢調査ではもう1班、別の駅で調査を行なっていた。ただし…

調査員A:「お坊さんってどこにいるんだろうね~」
調査員B:「大きな駅にいるんじゃない?」
調査員A:「何時から始めればいいんだろうね~」
調査員B:「お寺の人って朝は早いから、6,7時頃じゃない?」

先述の調査班と違い、まことにいい加減な候補地・開始時間の選定であった。それでも記事にするためには相応の努力が必要ということで、一週間の予備調査を終え、絶対来るだろうという日を選び、
JRの”とある”駅で今か今かと待ち構えていたのだった。

…来ない。朝7時から駅の入り口を見張っているが、全然来ない。調査班の予想では朝ラッシュで人通りの多い時間帯を狙って立っているのではと予想していたが、見事に予想は外れてしまった。今回の調査は連日真夏日が続いていた期間に行われたため。時間が経つにつれて、日は高くなりどんどん気温は上がっていった。
 
調査開始から3時間後、調査員2人の調査意欲が気温の上昇と連動するように急降下し、「今日は来ないんじゃないか」と思い始めた頃、件の托鉢僧が登場したのである。無音で、こちらが見逃しそうになるほど当たり前のように佇む姿は鮮やかであった。

 10時すぎに駅に現れた托鉢僧は鈴と椀を掲げながら、時折、鈴を鳴らしずっと立っていた。立ってから10分もした頃だろうか、1人の女性が僧の前にたち何かを与える仕草をしていた。本日1人目の喜捨(托鉢僧にお金や物をあげること)である。その後も時間をおいてポツリポツリと喜捨を行う人がいたのである。その際のメモを見てみよう。

------------以下、当時のメモ--------
10:07 托鉢僧到着
10:09 托鉢開始
10:16 1 女性 お供え(金)
10:19 2 おばあちゃん

交代の間9人がお供え物をする。 休憩2回(水を飲む) 150円ぐらい入ってた。

11:12 12人目
        13人目
11:24 14人目
11:26 15人目
11:28 16人
11:29 17
11:30 18
11:30 19

------------続く--------

メモからも猛暑による意欲の削がれ方がよく分かると思う。
 直射日光の中、休憩しているとはいえ何時間もある一点をずっと監視するというのはとても体力を使うのであった。

 托鉢僧も猛暑の中で数時間立っているため、時折後ろを振り向き水分をとっているのが見てとれた。修行とはいえ、倒れては元も子もない。実に正しい判断である。

 托鉢開始から2時間ほどたった頃だろうか、托鉢僧は突然荷物を整え、動き出した。昼食の用意である。元々の托鉢は食料などをいただく行為であるため、今回僧の昼食は大きなポイントであった。
 さて、どうやって昼食をとるのか…と思ったところ、僧が向かったのは駅にテナントとして入っている百貨店の地下食料売り場であった。売り場にあった太巻きを買い、近くのベンチで頬張っているのを15分ほどの僧の休憩時間で目撃した。ちなみに太巻きの金は僧自らの財布から出したようである。

 腹ごしらえをして、元気が出たのか午後は14時近くまで殆ど休憩をとらず鈴を片手に持ち立っていた。先述の調査班では喜捨をする人が少なかったが、土地柄であろうか、こちらは1時間に大体10人ぐらいと比較的多く喜捨をする人を目撃できた。



調査開始から7時間。托鉢僧が托鉢を初めて4時間経過した14時頃、ようやく僧が帰り支度を始めた。ここからが本番である。どこの宗派で、どの寺がやっているのか。ここが今回最大のポイントであった。
 僧は托鉢を行なっていた場所の真下にあるバスターミナルに向かい、とあるバスに乗り込んだ。こちらも気付かれないよう同じバスに乗車する。

こちらも疲れが出ていたのであろうか、どのバス停で降りるか確認していたはずだが、いつの間にか居眠りをしてしまっていた。
 しかし、幸いなことに僧は見失うことなく、30分以上もバスに揺られ続けるという小旅行な状況になっていた。

 僧が動き出したのは、そろそろ終点も近づいてきた頃であろうか。とある団地前のバス停で降車した。こちらも降車し、さあ、どの寺へ向かうのかと期待させていたところ、なんと托鉢僧はそのまま団地の一角へ消えてしまったのである。
 托鉢僧は寺の人間ではなかった。こちらとしては衝撃の事実である。

後々、調べてみると在家の信者の方でも托鉢を行うことがあるそうである。ちなみに今回調査した托鉢僧は鑑札(許可証)を携帯していたようであり、いわいる”偽”托鉢僧ではなかった。

結果、4時間托鉢を行なって喜捨をする人が41人。僧はお寺に直接所属している人では無いということが今回の調査で判明した。

今回は猛暑の中での調査であったが、托鉢僧は天気や季節を問わず、辻立ちを行なっている。もう1回、今度は真冬に調査をするというのは…御免被りたい。

以上、托鉢調査第2班の報告であった。

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